2023年シーズンの復活を待ち望まれているDeNAベイスターズ三嶋一輝選手。
チームのセットアッパー・クローザーとして欠かせない存在でありながら、2022年シーズン途中に「黄色靭帯骨化症(おうしょくじんたいこっかしょう)」が発覚。
チームから離脱せざるを得なくなりました。
しかし術後の経過も良好なのか、2023年の春季キャンプでは元気な姿を見せています。
黄色靭帯骨化症、実はこれまでにも多くのプロ野球選手を悩ませてきました。
ここから復活した選手はいたのでしょうか?そして三嶋一輝選手は復活なるのでしょうか?
【生年月日】1990年5月7日
【身長】175cm/80kg
【出身地】福岡県福岡市
【高校】福岡工業高校
【大学】法政大学
DeNA中継ぎ投手の柱・三嶋一輝
2013年のドラフト2位でDeNAベイスターズに入団した三嶋一輝選手。
ルーキーイヤーから先発ローテーションに定着するなど、将来のエース候補として期待されていました。
しかし、その才能が大きく開花するのは、中継ぎ投手へ転向してからのことでしょう。
2018年ごろから本格的に中継ぎとして起用されるようになったのですが、当初はワンポイントにロングリリーフ、敗戦処理といった起用がメインでした。
ですがそこで安定してピッチングを見せると、徐々に重要な局面での登板も増えていくようになります。
特にこの年は先発投手陣が不安定な内容も多く、中継ぎ投手が1人でも多く必要な中、三嶋一輝選手の存在は本当に大きかったですね。
終わってみれば自己最多の60試合に登板し、7勝2敗 防御率3.97という自己最高の成績を収めました。
その後のシーズンも中継ぎ投手としてフル回転。2019年は71試合・2020年は48試合・2021年は59試合に登板する活躍を見せます。
特に2020年・2021年は不調の山崎康晃選手に変わってクローザーを任されていました。
敗戦処理やワンポイント、ロングリリーフから始まり、次第にセットアッパーも任され、とうとうクローザーに。
この1歩1歩、着実に階段を上ってきた感じが、私はたまらなく好きでした。
クローザーに任されてからも顔色一つ変えず獅子奮迅の活躍を見せ、チームになくてはならない存在となります。
三嶋一輝が難病・黄色靭帯骨化症に
ですが2022年シーズン、黄色靭帯骨化症(おうしょくじんたいこっかしょう)が発覚してしまいます。
人間の脊椎は1本の太い骨というよりは、椎体(ついたい)や椎弓(ついきゅう)などの細かい骨が蛇腹状になって構成されています。
脊髄が通っているのも、椎体と椎弓の間です。
そして黄色靭帯はその椎弓同士を結び付ける役割を果たしています。
しかしその黄色靭帯が骨化してしまうことによって、椎体と椎弓の間を通る脊髄を圧迫してしまい、下半身のしびれや脱力などの症状を引き起こしてしまうのです。
原因はいまだ不明で、国から難病指定されている疾病の1つです。
黄色靭帯骨化症はこれまでにも多くのプロ野球選手を苦しめてきました。
近年では元読売ジャイアンツの越智大祐さん、元東北楽天ゴールデンイーグルスの井坂亮平さんなど。
(発症が発表された選手は全員投手という共通点があります)
いずれの選手も懸命のリハビリに励んだものの、ほとんどの選手は1軍の舞台に戻ってくることはかないませんでした。
黄色靭帯骨化症から復活を遂げた選手は?
この病気が発覚後、1軍の試合に登板することができたのは2人だけ。
元福岡ソフトバンクホークスの大隣憲司さん、元千葉ロッテマリーンズの南昌輝さんの2人です。
そして1軍の試合で勝ち星を挙げるまでに復活した選手は、大隣憲司さん1人だけになります。
大隣憲司さんの黄色靭帯骨化症が発覚したのは、2013年のことでした。
その前年(2012年)シーズン、12勝8敗 防御率2.03、そしてリーグトップの3完封という成績を残し飛躍の年となった大隣憲司さん。
2013年シーズンは3月に行われたWBCの日本代表にも選ばれ、さらなる活躍が期待されていました。
ペナントが始まっても順調なピッチングを見せていましたが、5月に腰痛が発覚し登録抹消。
その後も腰痛の経過がよくなく、6月に病院で改めて診察を受けたところ、黄色靭帯骨化症と診断されたそうです。
6月中に手術を受け、その後はリハビリに専念。当然シーズン中への復帰は絶望的となります。
ですが大隣憲司さんは驚異的な回復を見せ、なんと10月にはフェニックスリーグで実践復帰。
この時は1イニングをわずか5球で終わらせる好投を見せたそうです。
翌2014年シーズン、慎重に調整するためか夏ごろまで2軍での登板が続きましたが、7月に入って1軍復帰。
7月13日に、408日ぶりの1軍登板を果たします。
2月27日のオリックス戦では先発投手として登板し、7回1失点の好投で勝ち投手に。
登板間隔を開けながらもシーズン終了までローテーションを守り、安定したピッチングを披露しました。
特にこの年はオリックスバファローズとの激しい優勝争いを繰り広げていましたが、これを制することができたのは大隣憲司さんのピッチングのおかげではないでしょうか?
9月16日のオリックス戦では9回4安打無失点の完封勝利。オリックスの勢いにストップをかけます。
特に圧巻だったのは10月2日のシーズン最終戦。この直接対決を制した方が優勝という状況で行われた試合です。
この大一番で先発を任された大隣憲司さんは、7回無失点という100点満点のピッチングを見せます。
残念ながら勝ち投手とはなりませんでしたが、最後は松田宣浩選手がサヨナラ打を放ち、見事に優勝!
この優勝は大隣憲司さんがいなければ叶わなかったかもしれません。
その後のクライマックスシリーズ、日本シリーズでも好投を見せ、完全復活をアピールした1年となりました。
翌2015年はシーズン序盤からローテーションを守り、6月までに2完封を含む5勝をマーク。
左ひじの炎症と診断され離脱するまでは、チームで1番安定したピッチングを見せていました。
今のところ黄色靭帯硬化症から復活したケースは、大隣憲司さんの例が最たるものかと思います。
三嶋一輝選手にはぜひ大隣憲司さんを超える活躍を見せてほしいですね。
難病から復活した選手として、ぜひ同じ境遇の方がたを勇気づけてほしいです!
三嶋復活、すげぇよなぁ…。大隣は奇跡と言われてたけど、奇跡は起きるから奇跡なんだな。#baystars
— 吉田ルイセンコ (@Lysenko_Yoshida) February 22, 2023黄色靭帯骨化症って大隣元投手がなって復活してたりするから、三嶋投手にも希望になって欲しいよね
— 紅葉 楓🍁 (@kaedeakaba) February 22, 2023
いかがでしたか?
難病からの復活を目指すDeNAベイスターズの三嶋一輝選手。
すでにキャンプでは球速が153㎞/hまで計測しているとのことで、順調な回復を見せているように思います。
あの大隣憲司さんを上回るくらいの活躍を見せて、同じ境遇の方々に勇気を与えるとともに、復活までの道しるべを示してほしいです。
2023年シーズンの活躍に期待しましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。