2020年8月6日、阪神タイガース対読売ジャイアンツの1戦

 

この試合で巨人の増田大輝選手がプロ初登板を果たしました。

 

普通であれば喜ばしいことなのですが、増田大輝選手は内野手

 

大差がつく展開だったとはいえ、野手がマウンドに上がったのです。

 

賛否両論あったこの采配ですが、増田大輝選手は見事な投げっぷりを見せていましたよね。

 

今回はそんな増田大輝選手についてまとめてみました。

 

【生年月日】1993年7月29日

【身長/体重】172cm/68kg

【高校】徳島県立小松島高等学校

【大学】近畿大学(中退)

【経歴】

徳島インディゴソックス(14~15)

読売ジャイアンツ(16~)

投手・増田大輝が実現!?

2020年8月6日、阪神タイガース-読売ジャイアンツ (甲子園)

 

試合は11-0と阪神の大勝で終わりましたが、それ以上に注目を集めたのが7回にマウンドに上がった巨人の増田大輝選手です。

 

増田大輝選手、投手ではなく内野手登録。

 

大差の付く試合だったとはいえ、原辰徳監督は野手をマウンドに送り出したのです。

 

 

しかし増田大輝選手は最速138km/hのストレートキレのあるスライダーを交える見事なピッチングを披露しました。

 

近本光司選手をセカンドゴロに打ち取ると、四球の後に大山悠輔選手をライトフライに。

 

なんと2つのアウトをあっさりと奪ってしまいます。。

 

もともと徳島県立小松島高校では投手兼内野手として活躍した選手。

 

とはいえ高校時代にあこがれた甲子園のマウンドを、こんな形で経験するなんて思ってもみなかったでしょう。

 

野手をマウンドに送る采配には賛否両論ありましたが、増田大輝選手の見せたピッチングは紛れもなく本物でした。

 

俊足が武器の増田大輝

増田大輝選手は徳島インディゴソックスから、2013年の育成ドラフト1位で巨人に入団した選手です。

 

特筆すべきはなんといってもその足。

 

2019年シーズンは代走としての出場が主ながら、チームトップの15盗塁をマークしました。

 

 

個人的には巨人が優勝を決めた試合での活躍が印象的です。

 

2019年9月21日、横浜DeNAベイスターズ-読売ジャイアンツ (横浜スタジアム)

 

この日の巨人の先発は、19歳の戸郷翔征選手でした。

 

プロ初マウンドながら堂々たるピッチングを見せ、乙坂智選手によるホームランの2点だけに抑えます。

 

巨人打線はDeNA先発の上茶谷大河選手を打ちあぐねるも、7回に岡本和真選手がツーベースで出塁し、チャンスを作ります。

 

続く大城卓三選手は四球を選ぶと、重信慎之介選手がライトフライを放ち、タッチアップで1・3塁の形を作ります。

 

ここで1塁走者の大城選手に変わり、代走で出場したのが増田大輝選手です。

 

この回はワイルドピッチで巨人が1点を返すだけにとどまりましたが、9回には守護神の山崎康晃選手から小林誠司選手がタイムリー。

 

同点に追いつき、延長戦にもつれ込みます。

 

10回表、巨人の攻撃。マウンドには三嶋一輝選手。

 

ノーアウトから亀井善行選手、坂本勇人選手が2者連続四球を選び、再びチャンスを作ります。

 

丸佳浩選手、岡本和真選手が倒れツーアウトになるものの、ここで増田大輝選手がセンター前にタイムリー!

 

 

伏兵の一打が決勝点となり、巨人は優勝を果たしました。

 

大学中退も独立リーグから這い上がる

また増田大輝選手はその経歴も話題になりますよね。

 

地元の徳島県立小松島高校では投手兼内野手として活躍

 

ちなみに同校のOBには野球YouTuberのクーニンさんもいらっしゃいますね。

 

甲子園で増田大輝選手が登板した時は、野球部OBが大盛り上がりだったんだとか(笑)

 

 

 

高校卒業後は、名門・近畿大学の門をたたきます。

 

ここでは野手として期待されていたのですが…

 

なんと数試合に出場しただけで、2年生の時に退部してしまいます。

 

詳しい理由は明かされていませんが、なにやら挫折を経験したようで。

 

そのまま大学も辞め、地元徳島県の建設会社に就職し、職人として働く日々を過ごしていました。

 

平日は仕事、野球は土日の草野球程度。全く充実感のない日々だったそうです。

 

 

そんな彼を変えたのが、恩師からの一言でした。

 

小松島高校時代のコーチから激励の言葉をかけられ、再び野球への熱を取り戻します。

 

そして大学を辞めたその年の秋、四国アイランドリーグのトライアウトに参加。

 

193人中合格者は24人という狭き門でしたが、増田大輝選手は見事に潜り抜け、徳島インディゴソックスへ入団することとなります。

 

 

またこの時期に出会った奥さんの優香さんの存在も大きかったですね。

 

徳島に帰ってきてから共通の知人の紹介で出会った同い年の優香さん。

 

 

野球好きのお父さんの影響で、彼女もまた幼少期からの野球好きということもあり、2人はすぐに意気投合していきました。

 

そんな優香さんの夢が「プロ野球選手の妻になること

 

独立リーグのトライアウト後にそう明かされ、増田大輝選手はさらに奮起していきました。

 

 

増田大輝選手はインディゴソックスでも1年目からレギュラーを獲得

 

1度はあきらめたプロへの道が、ほんの少しだけ現実味を帯びてきます。

 

そしてこの年のシーズンオフ、2人は結婚を決意します。

 

厳しい経済状況(独立リーガーの年収は60万ほど)もあり、特に優香さんのお父さんは猛反対でした。

 

お父さんからの言葉に、増田大輝選手も一時は定職に就くことも考えたそうです。

 

ですが優香さんの「もう1年だけ頑張ろう」という言葉にまた奮起し、独立リーグ2年目を迎えます。

 

独立リーグ2年目は、1年目以上に猛アピール。

 

NPBのスカウトたちがいる前で、その足を、その守備を、見せつけました。

 

そしてドラフト会議当日、巨人から育成ドラフト1位指名。

 

2人の夢が、とうとう現実になったのです。

 

 

ドラフト当時、2人の間には子供が生まれていました。

 

ですが増田大輝選手は奥さんと子供を徳島に残し、単身で上京

 

育成選手のため3軍からのスタートでしたが、着実に結果を残し、数年かけて1軍の舞台まで這い上がってきました。

 

 

 

でも彼のストーリーはまだここで終わりではありません。

 

今度はレギュラーをつかんで、主力選手として優勝に貢献してほしいものです。

 

そしてそれは、きっと近い未来に現実になることでしょう。

 

 

 

いかがでしたか?

野手ながら甲子園のマウンドに上がったことで一躍注目を浴びた増田大輝選手。

 

大学中退・独立リーグ・育成選手を経て1軍へと這い上がってきた苦労人です。

 

周囲の人に助けられ、努力を続けてきた結果なのでしょう。

 

ですがここがゴールではありません、まだまだ上に行ってもらわなければ。

 

これからも応援していきましょう。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。