映画「japing」や「唾と蜜」にて一躍注目を集めた牧賢治監督。

 

メガホンを取り始めたのはここ数年と、決してキャリアは長くないものの、その独特な世界観を描いた作品は高く評価されています。

 

さらに2021年には3作目の噂も!?

 

今回は新進気鋭の映画監督、牧賢治さんについて取り上げていきましょう。

 

【生年月日】1979年

【出身地】兵庫県

牧賢治処女作「japing」

牧賢治監督はこれまで2作品を公開してきました。

 

1作目は2014年の短編映画「japing

 

牧賢治監督の初作品にして、全編モノクロセリフも一切なしという異色の作品です。

 

ひとりのアニメオタク、ひとりのヤクザ

 

 

 

普通に生活していれば接点なんてあるはずのない2人がひょんなことから出逢い、奇妙な関係を織りなしていきます。

 

モノクロの映像と音楽だけでストーリーが進行していくので、すごく想像力が書き立てられるんですよね。

 

製作費はたったの20万、撮影期間も3日というスケジュールもすごい。

 

ですが牧賢治監督をはじめとして、確かな実力を持ったスタッフが集結しており、この作品にかけられた熱意がうかがえます。

 

事実、この映画で2014年の日本芸術センター「第7回映像グランプリ 若獅子賞」を受賞しました。

 

さらにその2年後にはヒューストン国際映画祭にて、短編部門の金賞を受賞!

 

 

このヒューストン国際映画際は北米でも3番目に歴史を持つ映画祭です。

 

スティーブン・スピルバーグジョージ・ルーカスといった名だたる映画監督も、この映画祭で最高賞を獲得してきました。

 

しかもアメリカでは映画祭に出品するのであれば、自主制作の映画だろうと数千万の予算が使われることだって珍しくありません。

 

それを20万の映画で獲得したことは異例中の異例です。

 

初の長編映画「唾と蜜」

そして2作目が2018年の長編映画「唾と蜜」です。

 

 

「つばとみつ」

 

逆から読んだら「つみとばつ」

 

ご存知ドストエフスキーの代表作、「罪と罰」になります。

 

牧賢治監督が10代~20代の時に経験したことが元につくられた、フィクションとノンフィクションが混ざった作品です。

 

刺激の足りない、退屈な日々を送っていた主人公の吉幸。しかしある日、パチンコ屋で中学時代の友人・ノブと再会します。

 

飲み屋で語り合ううち、ノブがヒューマンビートボクサーであることを知ると、そこから吉幸もオンガクにのめり込むように。

 

さらにクラブのオーナー兼麻薬売人でもあるチバとも知り合いとなり、どんどんアングラな世界へと入り込んでいって…

 

 

主人公・吉幸には注目の若手ラッパーEINSHTEINさんを、友人のノブ役にはヒューマンビートボックス日本チャンピオンのSh0hさんを起用。

 

 

さらにタイトルがアナグラムになっていることからもわかるように、作品では文学的なセリフも多く、

 

「最先端の音楽性、暗喩を含むセリフの文学性が融合」した映画となっています。

 

この映画も国内外で高く評価され、ニース国際映画祭、およびINDIAN WORLD FILM FESTIVAL新人監督賞を受賞しました!

 

 

牧賢治監督の3作目は?

さて牧賢治監督の2作品を紹介してきましたが、監督自身の経歴もかなり異例です。

 

実は普段は普通に会社員として働くサラリーマン監督なのです。

 

会社も映画に関連した企業ではなく、大阪の某大手広告代理店

 

映画を撮り始めたのもここ数年のことだそうで、とんでもないスピードでキャリアを駆け上がってますね。

 

でもCMのディレクターも務めているみたいなので、全くの未経験から監督を始めたわけではなさそう。

 

CMは短い時間でも印象に残るような映像を作らなければなりませんから、そう考えると短編映画のjapingがあれだけ評価されたのも納得です。

 

それに交友関係も広く、資金は少なくても腕の立つクリエイターが続々と集まります。

 

みんな牧賢治監督の人柄に惹かれているんですよね。

 

 

さてそんな牧賢治監督の3作目にもそろそろ期待したいですよね。

 

噂によれば、そろそろプロジェクトが動き出しているとかいないとか。

 

(追記)

2020年9月に、宮大工映画「Canna」の制作が発表されました。

 

大阪の宮大工養成塾が作成する映画で、牧賢治監督がメガホンを執ることになります。

 

宮大工は若手後継者不足に悩まされているそうなのですが、その現状を打破すべく、様々な取り組みを行っています。

 

もちろんこの映画もそのうちの1つ。地域貢献にもなる素敵な取り組みですよね~

 

YouTubeの「宮大工チャンネル」でも、多数の動画がアップされています。

 

宮大工の職人芸、見ているだけで魅了されますよ。

 

 

さてこちらの映画は「大阪府太子町で宮大工を営む家族の物語」となります。

 

大阪府太子町といえば、”大工の神様“としても知られる聖徳太子の街です。

 

教科書では「冠位十二階」や「十七条憲法」のほうがおなじみかもしれませんが、仏教を広めるため寺院の建立にも尽力した人物です。

 

法隆寺や四天王寺など、後の日本史にも大きな影響を与えています。

 

また大工道具である「差し金」を中国から日本に持ち込んだのも聖徳太子だといわれています。

 

その聖徳太子の墓が太子町の叡福寺にあるため、太子町が聖徳太子の街とされているのですね。

 

特に2021年は聖徳太子没後1400年を迎える年だそうで、気合が入っています。

 

 

 

太子町で代々宮大工を営む家系に生まれたカンナ

 

ですが家業を継ぐことはまったく考えておらず、YouTubeでアイドル活動をしている、今どきの女の子です。

 

一方、父親はカンナに家業を継いでほしいと考えていて……

 

交錯する娘と父親の想い。

 

はたしてどんな展開になるのでしょうか!?

 

 

いかがでしたか?

短いキャリアながら世界から注目を集める牧賢治監督。

 

これまでの2作品は国内外で高い評価を受け、歴史のある賞も受賞しました。

 

3作品目はいったいどんな世界観の作品になるのでしょうか、注目していきたいところです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。