誰もが知る国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」
つい先日、その作者のさくらももこさんの訃報が飛び込んできました。
突然のお知らせに驚きましたがその反響の大きさから、改めてその作品が、そしてさくらももこさん自身が愛されていたことを痛感させられています。
ちびまる子ちゃんのアニメが始まったのは1990年のことなのですが、28年にもわたり愛されているのですね。
さくらももこさんの作品がこれほどまでに愛される理由とは何なのでしょうか。
まずはさくらももこさんののプロフィールから
【本名】非公開
【生年月日】1965年5月8日
【血液型】A型
【身長】159cm
【出身地】静岡県
ちびまる子ちゃんがヒットした理由とは?
ちびまる子ちゃんの連載が開始したのは1986年の8月です。
さくらももこさんもまだ21歳という若さだったのですが、「りぼん」にて掲載が開始されると、あっという間に人気漫画へと成長しました。
少女漫画らしからぬ絵柄に、ストーリーもドラマチックではなく、どちらかといえば日常的。
当時のりぼんの中では少し変わった漫画だったと思うのですが、いったいなぜここまで大ヒット作になれたのでしょうか。
やはりその最大の理由はテーマが「日常」だったからでしょう。
ちびまる子ちゃんは、さくらももこさんが小学生時代に実際に体験したことがストーリーの軸となっています。
連載が長期化するにつれて、どんどんフィクションも多くなっていったのですが、初期のころはほとんどがノンフィクションです。
しかもそれは特別な体験ではなく、小学生ならだれもが体験するようなありきたりなこと。
姉妹喧嘩をしたり、朝起きられなくて学校をずる休みしようとしたり、夏休みの最終日に宿題をまとめてやったり…。
そんな何でもないような出来事がちびまる子ちゃんのテーマなのです。
子供向けのアニメながら、多くの大人たちからの共感も得られたことが、この大ヒットの1つの要因となっています。
魅力的なキャラクター達
キャラクター達も魅力的ですよね。
主人公のまる子ちゃんは、ちっとも主人公らしくありません。
ですがそこが良いんです。
決して美人ではないし、勉強ができるわけでもスポーツができるわけでもありません。
性格も純粋というわけではなく、何をするにも面倒くさがり。
どこか冷めた目線を持っていて、皮肉めいたことを言ったり、毒づいちゃうこともあります。ずる賢い一面だって持ち合わせています。
子供向けのアニメでそんな女の子が主人公だなんて、なかなかないですよね。
でもそんなまる子ちゃんだからこそ、読者や視聴者はその世界にうまく入り込むことができたのでしょう。
ほかのキャラクターたちも個性的で、時にはまる子ちゃんと喧嘩したり、時にはまる子ちゃんを振り回したり、時には友情も見せながらお話が進んでいきます。
ストーリーによっては家族やクラスメートが主役になることもあるので、飽きないんですよね。
やっぱり長く続くには、それなりの理由があります。
真骨頂はちびまる子ちゃんじゃない⁉
でもさくらももこさんの真骨頂はちびまる子ちゃんではなく、別の作品に表れていると思っています。
1つはエッセイですね。
さくらももこさんはエッセイストとしても活動していて、今までに30作品以上を出版しています。
どれもちびまる子ちゃんと同じく「日常」がテーマなのですが、これがとにかく面白い。
よく日常をテーマにしてこれだけ面白い文章が書けるなと感心してしまいます。
有名なのは祖父の話でしょうか。
アニメと違って実の祖父はかなり横暴だったそうなのですが、そんな祖父が亡くなった、さくらももこさんは爆笑してしまったそうです。
その事実もおかしいのですが、それをエッセイのネタにしてしまうなんて、かなり皮肉がきいていますね。
それでも、家族・親族だからといって無条件で好きになれるわけではないと、どこかハッとさせられるエピソードだったりもします。
そしてもう1つの注目作品が「コジコジ」
1994年~97年まで連載された漫画で、97年にはTBS系でアニメ化もされました。
こちらも日常がテーマですが、舞台はメルヘンの世界で、キャラクター達も愛らしいものばかり。
ですが、コジコジのセリフから人生の生き方のようなものが学べると大評判になっているのです。
人より変わってもいい
自分らしく生きてればいい
何もできなくてもいい
疲れたら休めばいい
コジコジは基本的に自由奔放で人の話もあまり聞いていないのですが、時々核心を突くようなことを言ってきます。
仕事や人間関係に疲れたという方には、ぜひともコジコジを見てもらいたいですね。
セリフ以外にもブラックユーモア的なものが随所にちりばめられていて、そちらも皮肉が効いていて面白いです。
ちびまる子ちゃんよりも、エッセイやコジコジの方がさくらももこさんらしさが出ているような気がします。
コジコジのアニメはYouTubeでも公開されていますので、気になった方はぜひご覧になってください。
さくらももこさんの『もものかんづめ』というエッセイの中で、さくらさんの実在のお爺様は物凄く横暴で最後まで好きになれず、でも親族だからといって、血縁だけを理由に好きでいなくてはいけないなんてことはないんだと書いていらっしゃったことに、随分救われた思い出があります。
— しらとあきこ (@akipcs) August 27, 2018
さくらももこさんは
— 山田玲司 (@yamadareiji) August 28, 2018
「変な人の価値を賞賛した人」であり「よく見るとみんな変な人じゃん」という幸福な真実を伝えてた人だった。
コジコジはそれを可視化した作品。
世の中はあんなだと。
面白がればいいんだと。
言ってくれてた。
いかがでしたか
何年たっても愛されるさくらももこさんの作品たち。
おもしろくて、どこかメッセージ性のある作品は、おそらくこれからもずっと語り継がれていくことでしょう。
また時間のある時に読み返してみたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。