いまやMLBでは当たり前、NPBでも多数の選手が記録するようになった160キロ

 

2005年に横浜ベイスターズのマーク・クルーン氏が初めて160キロを記録するまでは、ずっと夢の数字でした。

 

しかし今では1チームに1人は160キロを投げる選手がいるように思います。

 

何ならMLBではすでに170キロも計測されていたり。もはや160キロは通過点にすらなりつつあります。

 

とはいえ、あれだけ騒がれた160キロ。MLBでは誰が最初に記録したのでしょうか?

 

NPBでは長らく現れなかった160キロ

NPB史上、もっとも速い球を投げた選手は誰だと思いますか?

 

その選手は読売ジャイアンツに所属していたチアゴ・ビエイラ選手。

 

2021年8月13日の中日戦で166キロをマークしました。

 

日本人選手に限ると、佐々木朗希選手が2023年4月28日に記録した165キロが最速となっています。

 

(大谷翔平選手も165キロを記録していますが、クライマックスシリーズでの記録なので参考記録)

 

 

MPBで初めて160キロを記録したのは、ご存じマーク・クルーン氏です。

 

横浜ベイスターズに所属していた2005年、7月19日の阪神戦で161キロを記録しました。

 

それまでのNPB最速記録は158キロ

 

1993年5月3に、千葉ロッテマリーンズに所属していた伊良部秀輝さんが、西武ライオンズに所属していた清原和博さんとの対決で記録しました。

 

このシーンは平成の名勝負として語り継がれていますよね。

 

その後、オリックス・ブルーウェーブの山口和男さん、ヤクルトスワローズの五十嵐亮太さんらが158キロを記録するものの、誰も160キロの壁を破ることができず。

 

ずっと160キロは夢の数字だったのです。

 

しかしクルーン氏が記録したのち、2010年にもヤクルトの佐藤由規選手が日本人選手として初めて160キロをマーク。

 

さらに2012年には岩手・花巻東高校の大谷翔平選手が高校生ながら160キロを記録して野球ファンを騒然とさせました。

 

その後の彼の活躍は言わずもがな。

 

 

そして2010年代後半になると、160キロを達成する選手が次々に現れます。

 

いまや1チームに1人は160キロを計測する投手がいるくらいなのではないでしょうか?

 

そして160キロのストレートをもってしても無双できるわけではないというのも、またレベルの高さを物語っています。

 

MLBでは1つ先の次元へ

MLBではNPB以上に160キロは当たり前になってきています。

 

MLBでは球速はkm/hではなくmph(マイル)で表示されるのですが、向こうでも100マイルが1つの大台として認知されています。

 

※100マイル…160.93キロ

 

向こうでも多くの選手が達成しており、マイナーリーグの選手も含めると200人近くもいるんだとか。

 

さらにMLBの最速記録は105.8マイル、170.3キロが計測されているといいます。

 

2010年にアロルディス・チャップマンが達成しました。

 

日本でも有名な選手なのではないでしょうか?

 

左腕でこれだけの速球、相手からすれば恐ろしいですよね。

 

もうMLBでは次の次元に突入していました。

 

MLB初の160キロはノーラン・ライアン

ではMLBでは初めて160キロを計測したのは誰なのでしょう?

 

その選手はノーラン・ライアン氏です。

 

あの足を高く上げるダイナミックなフォームから繰り出される剛速球、日本でもヤクルトの小川康弘選手がそのフォームを参考にしています。

 

 

MLBでも初めて球速が計測されたのは1974年のことでした。

 

この当時は元メジャーリーガーのダニー・リトワイラー氏とJugs Sports社が、警察の速度取締用のポリスレーダーを応用してスピードガンを共同開発したり、

 

ロックウェル・インターナショナルがドップラー効果を利用して物体の相対的な移動速度を計測できるレーザー機器を開発したりといった時期。

 

このうちのレーザー機器のほうが1974年に初めてMLB公式戦に用いられ、ノーラン・ライアン氏の投げたボールが100.9マイル(162.4キロ)を計測したのです。

 

これがMLBで初めての100マイル(160キロ)でした。

 

ちなみに全ての投球を計測したわけではなく、計測していないボールの中にはもっと速い球もあったんだとか。

 

 

1974年、日本では巨人の連続優勝が9年でストップした年です。

 

この年、長嶋茂雄さんが現役を引退しました。「我が巨人軍は永久に不滅です」のスピーチはあまりにも有名ですよね。

 

一方の王貞治さんは史上8人目の2000本安打を達成し、2年連続2度目の三冠王にも輝きました(.332 49本 107打点)

 

そんな時代に、MLBではすでに160キロが達成されていたとは。

 

 

しかも状況を鑑みれば、もっと昔に160キロを出していた選手がいてもおかしくはありません。

 

ただそれを言えば、日本では沢村栄治さんが160キロを出していたという話もありますので。

 

もうロマンの領域になってきますよね。

 

 

ただ球速ではやはりMLBに分があるように思います。MLBとMPBで数十年分の差があるという感じでしょうか。

 

しかし日本でも160キロの選手が次々に現れてきました。そうなると、170キロの夢にも期待していいのでしょうか?

 

 

いかがでしたか?

年々球速が増している野球界。投高打低ではなく、単にピッチャーのレベルが急速に上がっているだけなのでは?とすら思ってしまいます。

 

そしてMLBでは唯一、チャップマンが170キロの大台に到達しました。これから十数年で、日本人でも170キロを計測する選手が出てくるのでしょうか?

 

これからの野球界も楽しみです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。